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教室指導方針


やり直す

 

 
 「開成中学の算数の入試問題を時間内で完璧に解ける人は存在しない!」そうです。
 「〜賞」を受賞するような著名な数学研究者でさえ時間内に完璧に解き終えることはないようです。
 なぜか?開成中学の問題では、問題が何を意図しているか、どう処理していけば良いのかを判断するまでに時間がかかるからです。この場面で必要とされる作業は、あらゆることを試してみることです。知識を総動員していろんな角度から問題を見つめる、調べてみる、そうした行為を通して始めてその問題で必要とされる具体的な処理の道筋(例えば『つるかめ算』の考えを利用すればよいなど)が見えてきます。

 「大学の授業がつまらない」と多くの大学生が言います。
 なぜか?それは「勉強する」という行為に対する誤った意識を持ったまま入学してしまうからです。勉強とは、先生が教えてくれるもの、わかりやすく、面白く、覚えやすいようにして。そうした意識を持ったまま大学に入ると、大学の授業は大変つまらなくなります。逆に勉強とは自ら学ぶもの、大学は自らの考えが正しいか否かを探求する場、という意識を持っている人にとっては、大学って素晴らしい!最高!なんて恵まれた環境に自分はいるんだ!となります。大学の図書館には市や町のものとは比べようもないほどの数の本が揃えられています。さらにその世界で第一人者と呼ばれる、世界レベルでその道に通じた人に無料で気軽に出会うことができます。利益なんてことを意識せず研究や調査に没頭することができます。たとえ研究や調査が上手く行かなかったとしても誰にも迷惑をかけることはありませんし、お金を請求されるようなこともありません。また別の方法を試してみればいいだけです。思う存分!自分の考えと向き合うことができます。

 「書きなおす作業が上達の道」小説家と呼ばれる人の多くが同じようなことを話します。
 あるベストセラー作家は、一冊の本に対し現在12回目の書き直しの作業をしていると話していました。彼にとって文章のレベルを上げるために必要なことは、書き上げた原稿を他人に読んでもらい意見を聞く、そして直す、これをひたすら繰り返すことだそうです。また別の作家は、指定字数の最低5倍を下書きとして書く、そしてそこから削る作業を繰り返し仕上げていくと話していました。

 3つの例をあげましたが、この3つに共通していることは「やり直す」ことの大切さです。つくづくこの4文字の大切さを感じます。何かを始めて、最初から上手くいくことはありません。どこかで後戻りする、あるいは完全に最初からやり直すということにぶつかります。ですが、後戻りしてからやり直した時、同じ作業は前回より短時間で行うことができます。その過程で以前は気づかなかった改善すべき箇所を見つけられます。いろんな意味でレベルの向上につながります。

 効率性や目の前の結果のみに意識を向けていると、どうしてもやり直しという行為から離れてしまいがちです。ですが、「やり直す」ということには大きな意味と価値が含まれています。「やり直す」この行為の重要さを様々な場面で生徒たちに伝えていける、そうした教室でありたいと思っています。