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教室指導方針


範として

 

『狼少女』という話があります。
 インドのカルカッタで狼の洞窟に出入りしている少女が見つかりました。推定年齢は7、8歳。発見された少女は、狼の世界から人間の世界へと連れて行かれます。その子は、4つ脚で歩きました。食事は手で食べ物を押さえ、そこへ口をもっていき食べました。狼そっくりに遠吠えをすることができました。
 研究者によれば他の動物では、同様の状況下で育てられたとしても多少の影響を受ける程度で、本来持つ性質を失うことはないそうです。例えば、猿であれば狼が育てたとしても猿特有の行動をし続けるということです。
 人間には、まわりの見本通りに行動をするという他の動物には無い学習機能が備わっていることがわかります。特に、子どもの年齢が低ければ低いほど身近にある存在からの影響を強く受けるようです。

 このことは、今のお子さんがどのようにして形成されたかということに関する一つの要因を示してくれます。
「子どもが勉強しない」→大人の側が勉強の興味深さ、面白さを実感していない。勉強そのものをしていない。
「継続性がない、あきらめやすい」→大人の側が、何かを始めたとしても続けていない。あきらめている。
「前向きにものごとに取り組めない」→大人の側が、受け身の人生を生きている。
「優しさや思いやりに欠けている」→大人の側が、そうした気持ちを持ち合わせていない。
など、お子さんの思考や行動の根底を作っているのが大人の側にある可能性が高いということです。
 よく言われる、“子どもは、親の言うことは聞かないが、親のしていることはまねをする”という言葉の意味するところですね。

 7年間、狼は親として、少女を実に狼らしく育てました。
 狼は、無理やり少女を4つ脚で歩かせたわけではないはずです。食事の仕方を注意し矯正したのでもないと思います。
 でも少女は親である狼と同じように行動するようになりました。

 大人は子どもに“ああしなさい”“こうしなさい”と口で言うよりも、“ああなってほしい”“こうなってほしい”ということを行動で示して見せればいいということです。この方法で学んでいく過程は、全て能動的です。能動的に学んだことに人はストレスを感じません。結果、子どもは自分をのびのびと開放でき、しかも大人が望む人物に成長して行きます。
 そう単純には行かないよ、と思われるかもしれません。子どもに大人の気持ちが伝わるまでに時間がかかることや、なかなか大人が思うように育ってくれないという現実に直面することもあることでしょう。その際には、お子さんの人生という長い期間の中での成長を信じてあげてください。
 人間が本来持つ“学ぶ能力”を全てのお子さんが持っています。
 大人が正しいと信じる生き方を行動で見せることでその気持ちは、子どもに必ず伝わります
 
 子どもの成長を信じること、そして大人が範としてきちんと子どもの前に存在することの大切さを感じます。